突然のスポーツ中や、日常のちょっとした動作で「ピキッ」と走る鋭い痛み。それはもしかすると肉離れかもしれません。
多くの方が一度は耳にしたことがある肉離れですが、正しい知識を持っている方は意外と少ないものです。
放っておくと再発を繰り返したり、パフォーマンス低下につながることもあるため、早期の対応と予防が重要です。
このブログでは、肉離れの基礎知識から原因、症状、予防のポイントまで詳しく解説していきます。
肉離れとは?
肉離れとは、筋肉の一部が部分的または完全に断裂してしまうケガの一種です。
特にスポーツ動作中の急な動きで発生しやすく、筋肉が収縮しながら引き伸ばされる「遠心性収縮」が主な原因と考えられています。
好発部位
- 太もも裏(ハムストリングス)
- ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)
- 太もも前(大腿四頭筋)
このように、下半身の筋肉に多く見られ、走る・跳ぶ・踏ん張るといった動きに関係する部位で起こることが多いです。
重症度の分類
- 軽度(グレード1):筋繊維が微細に損傷。軽い痛み・違和感あり。日常動作は可能。
- 中等度(グレード2):筋繊維が部分断裂。痛み・腫れ・運動制限あり。歩行に支障をきたすことも。
- 重度(グレード3):筋肉が完全断裂。激痛・大きな内出血。歩行困難で、場合によっては手術が必要。
肉離れの主な原因
肉離れの原因はまだ不明な点が多く、いくつかの要因が重なり起こると考えます。以下のような要因が関与します。
1. ウォーミングアップ不足
運動前に準備運動を怠ると、筋肉は冷えたまま縮こまった状態。柔軟性や反応速度が落ち、損傷のリスクが高まります。
2. 筋肉の柔軟性低下
デスクワークや加齢によって筋肉が硬くなると、動きの中で十分な伸展ができず、断裂の危険が増します。
3. 疲労の蓄積や水分不足
疲れた筋肉は反応が鈍く、衝撃に弱くなります。さらに水分や電解質が不足していると、筋肉の収縮バランスが崩れ、損傷を招きます。
4. 急な動作や過度な負荷
突然のダッシュ、ストップ、ジャンプなど、瞬発的な力が加わる場面で発症しやすいです。
5. 過去のケガ
以前に肉離れを起こした部位は組織にシコリの様なものが残り、その箇所の伸縮性が低下し再発のリスクが高まります。
6.脳との連携
脳からの指令と、筋肉の活動量の誤差が生じた時。
久々の運動・運動を盛んにしていた時の記憶・疲労による筋活動の低下など
脳からの指令に対して、同強度での筋活動が発揮できなくなった時に肉離れが起きると推測します。
肉離れの症状とセルフチェック
肉離れが起きた直後は、「ブチッ」という音や感覚を伴うこともあり、多くの人が明確に異常を感じます。
代表的な症状を以下にまとめます。
主な症状
- 鋭い痛み:発症直後に急激な痛み。特定の動作で強まる。
- 腫れ・内出血:時間が経つにつれ、患部が腫れて青紫色に変色することも。
- 圧痛:押すと強く痛む場所がはっきりしている。
- 動かしづらい・力が入らない:痛みにより可動域が制限され、普段のように動けなくなる。
セルフチェックのポイント
- 患部をストレッチすると強い痛みがある
- 患部に腫れや発赤がある
- 内出血がある
- 歩行や立ち上がりに支障がある
- 痛む箇所を押したときに痛みを感じる
- 患部が凹んでいる
これらが当てはまる場合、自己判断せず専門家の評価を受けることが重要です。
応急処置(RICE処置)
肉離れが疑われる場合、できるだけ早く適切な処置を行うことで、その後の回復が大きく変わります。基本はRICE処置です。
1. Rest(安静)
まずは患部を動かさず、負荷をかけないこと。無理に動かすと悪化のリスクが高まります。
2. Ice(冷却)
アイスパックや氷嚢で15〜20分程度冷やします。痛みや腫れを抑える効果があります。1〜2時間おきに繰り返すと効果的。
3. Compression(圧迫)
伸縮性のある包帯やサポーターなどで軽く圧迫します。腫れや内出血の広がりを防ぎます。
4. Elevation(挙上)
心臓より高い位置に脚を上げることで、内出血や腫れを軽減できます。
※冷やす環境が無い場合もあるかと思いますので、特に安静と圧迫を優先的に行うことをお勧めします。
応急処置はあくまで初動対応です。その後はできるだけ早く専門機関での評価と治療を受けるようにしましょう。
肉離れを予防するには?
一度でも肉離れを経験すると、再発への不安がつきまといます。以下のような日常の意識と習慣が、再発防止とパフォーマンス維持につながります。
1. ウォーミングアップとクールダウンを丁寧に
運動前後に筋肉をしっかりと温め・整えることで、柔軟性と神経伝達が改善され、ケガの予防に直結します。
2. 柔軟性と筋力のバランスを整える
柔らかいだけでも、強いだけでもダメ。筋肉がスムーズに伸び縮みできるように、動的ストレッチと補強トレーニングの併用が大切です。
3. 正しいフォームの習得
ランニングやジャンプ、スクワットなどのフォームが乱れると、一部の筋肉に過度な負担がかかりやすくなります。動作の質を高めることが最大の予防策です。
4. 疲労と水分管理
練習量・仕事の疲れがピークのときほど、ケガのリスクが高まります。休養・栄養・睡眠・水分といった基本的な体調管理も、予防の大きな柱です。
まとめ
肉離れは、スポーツ愛好家だけでなく、日常のちょっとした動作でも起こり得る身近な筋肉のケガです。
痛みが強く回復に時間がかかるだけでなく、適切な対応ができないと再発リスクが高まるという特徴もあります。
今回ご紹介したように、肉離れには特定の原因があるわけではなく、いくつかの要因が重なって起きるとされます。ウォーミングアップ不足、筋肉の柔軟性低下、疲労の蓄積、急な動作など、これらを一つひとつ見直すことが、ケガを未然に防ぐ第一歩になります。
特に、これまでに肉離れを繰り返している方や、「またやってしまうのが怖い」と感じている方には、姿勢・動作・筋力・柔軟性のバランスを見直すことが非常に有効です。
当院では、身体の動きと機能を評価することで予防アプローチを得意としています。
もしも「肉離れかもしれない」「不安が残る」「違和感が続いている」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。
早期対応が、スポーツや日常生活への早い復帰と再発予防のカギになります。
スポーツ障害や再発予防のリハビリなどにお悩みの方は西宮・甲子園のFany整体鍼灸院へお気軽にご相談ください。

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