「朝、最初の一歩が痛い」
「ランニング後にかかとの上がジンジンする」
このようにアキレス腱に痛みを感じた経験はありませんか?
それはアキレス腱炎のサインかもしれません。
ふくらはぎとかかとをつなぐアキレス腱は、私たちの歩行やジャンプ、走る動作に欠かせないパーツです。
今回は、アキレス腱炎の症状・原因・予防法をについて解説します。
アキレス腱炎とは?
アキレス腱炎とは、ふくらはぎの筋肉と踵の骨をつなぐアキレス腱に炎症が起こった状態です。
にスポーツのやりすぎ(オーバーユース)や、柔軟性の低下、足の使い方のクセが原因で起こります。
特に、30〜50代で運動習慣がある方や、ランニング・ゴルフ・登山などを楽しむ方に多く見られます。
アキレス腱炎の主な症状
アキレス腱炎の症状は、かかとの少し上あたりに痛みや違和感を感じることが特徴的です。特に、朝起きて最初に歩き出したときや、長時間座っていて立ち上がったときなど、動きはじめに痛みを感じやすいのが特徴です。
また、アキレス腱やその周囲を押すと痛む(圧痛)、腫れや熱感をともなう場合もあります。症状が進行すると、歩く・走るといった日常的な動作のたびに痛みが出るようになり、スポーツや運動が続けにくくなることもあります。
初期段階では、動き始めに痛みを感じても、身体が温まってくると少し楽になることが多いですが、そのまま放置すると慢性化し、長引く原因となります。
アキレス腱炎の原因
アキレス腱炎の原因はおもに3つあります。
オーバーユース(使いすぎ)
アキレス腱炎の原因として最も多いのが、オーバーユース(使いすぎ)です。これは、アキレス腱に繰り返し過度な負担がかかることで、微細な損傷や炎症が蓄積してしまう状態になります。
特に注意が必要なのは、急に運動量を増やした場合です。たとえば、久しぶりにランニングを再開して急に長距離を走ったり、急激にトレーニング強度を上げたりするとアキレス腱にかかる負荷が跳ね上がり、耐えきれずに炎症を起こすことがあります。
また、週末だけ激しいスポーツをする週末アスリートにも多く見られます。平日はあまり体を動かしておらず、週末にまとめて長時間運動をすることで、アキレス腱が急激なストレスを受けやすくなるためです。
このように、やりすぎ・急すぎな運動習慣は、アキレス腱炎のリスクを高める大きな要因となります。運動は、徐々に量と強度を上げていくことがとても重要です。
アキレス腱の弾性低下
アキレス腱炎のもう一つの大きな原因は、柔軟性や筋力の低下です。特に、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)が硬くなっていると、歩く・走る・ジャンプするといった日常動作のたびに、アキレス腱に必要以上の負荷がかかってしまいます。
この筋肉の硬さは運動前後のストレッチを怠っていたり、長時間座りっぱなしの生活が続いていたりすることでも起こります。現代のライフスタイルでは、ふくらはぎをしっかり動かす機会が減っているため、知らないうちに筋肉が硬くなっている人も多く見られます。
さらに、加齢もアキレス腱炎の発症に影響します。年齢を重ねると、筋力だけでなく、アキレス腱自体の柔軟性や弾力性も徐々に失われていきます。若いころと同じように体を動かしているつもりでも、実は腱や筋肉が以前ほど耐久性を持っていないため、炎症を起こしやすくなるのです。
特に40代以降では、筋肉や腱のメンテナンス(ストレッチや筋力トレーニング)を意識的に取り入れることが、痛みの予防やパフォーマンス維持につながります。柔軟性と筋力の低下は、知らないうちにじわじわとアキレス腱に負担をかけているのです。
足の構造、使い方
アキレス腱炎は、足そのものの構造や歩き方・走り方のクセが関係して起こることも少なくありません。
特に多いのが、扁平足や過回内と呼ばれる状態です。
偏平足では、歩いたり走ったりした際に本来アーチが吸収すべき衝撃が、直接アキレス腱や足首周辺に伝わってしまう恐れがあります。
またこの状態ではアキレス腱が外側に曲がった状態になり、常にねじれるような形で引っ張られるため、負担が一部に集中しやすくなります。長期間この動きが続くと炎症を起こしやすくなり、慢性的なアキレス腱炎につながってしまいます
✅靴底の内側が極端にすり減っている
✅歩くときや立ったときにつま先が内に向いている
このような兆候がある方は、足の機能的な評価を一度受けてみるのもおすすめです。
インソールや足部トレーニングの導入によって、負担のかかり方を改善することが可能です。
またシューズにもアキレス腱の原因になることがあります
・クッション性が不十分なシューズ
地面からの衝撃が直接アキレス腱やふくらはぎに伝わってしまい、炎症の原因になります。
・踵部分のホールドが弱いシューズ
足首が安定せず、歩行やランニング中に余計な動きが加わり、アキレス腱への負荷が大きくなります。
・サイズが合っていないシューズ
小さすぎると圧迫されて血流が悪くなり、大きすぎると足が中で滑って不安定になります。どちらも足のアーチ機能や着地動作を乱す原因となります。
対処法
まずは安静とアイシングを
痛みがある場合、最初に大切なのは無理をせず安静にすることです。
運動や長時間の歩行を控え、アキレス腱にかかる負担を減らしましょう。
また、痛みや熱感があるうちはアイシングも効果的です。
ふくらはぎのストレッチで柔軟性アップ
アキレス腱にかかるストレスを減らすには、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)の柔軟性を高めることが非常に重要です。
痛みのない範囲で反動をつけずに20秒~30秒キープするように行って下さい。
足部・体幹のトレーニング
アキレス腱炎は足のアーチ低下や姿勢・歩き方のクセが原因になっていることもあります。
患部に炎症が有るうちは積極的に動かすことはおすすめできないので、患部外の足裏や体幹を支える筋肉のトレーニングを行うことが再発予防に効果的です。
例えば、
・タオルギャザーなどの足の裏(足の指)を使う運動
・クラムシェルなど臀部の筋を使う運動
・サイドプランクなど腹筋群を使う運動
シューズやインソールを見直す
履いている靴が合っていないと、いくらケアしても改善しにくいケースがあります。
クッション性と踵の安定感のある靴を選び、アーチーチサポート付きのインソールを活用するのもおすすめです。
まとめ
アキレス腱炎は、運動習慣のある人はもちろん、加齢や柔軟性の低下などから中高年の方にも多く見られるトラブルです。
主な原因は、使いすぎ(オーバーユース)や柔軟性の低下、足の構造や動きのクセ、シューズの選び方など。特に、急な運動量の増加やストレッチ不足などは、知らず知らずのうちにアキレス腱に大きな負担をかけています。
軽度であれば、セルフケアなどで改善が期待できますが、放置すると慢性化しやすい治りが遅くなる恐れがあるので早めの対処が大切です。
「最近かかと周辺が痛む」「運動後にアキレス腱が張る気がする」と感じている方は、今回ご紹介した対処法を参考にしながら、ぜひ早めのケアを心がけてみてください。
そして、痛みがなかなか引かない場合や、歩くのもつらいというようなケースでは、無理をせず専門家に相談することをおすすめします。
『からだ本来の動きを取り戻し、アクティブ・ライフを実現』
当院ではボディケアとトレーニングによるコンディショニングを提供します。スポーツ障害の治療、予防やリハビリをサポートしています。
慢性症状やスポーツ障害には機能評価で身体の動かし方を分析するのがおすすめです。機能を改善し根本からの改善を目指します。
アキレス腱の痛みや、スポーツ障害にお悩みの方は西宮・甲子園のFany整体鍼灸院へお気軽にご相談ください。

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