「猫背だから肩こりになる」
「スマホ首を直さないと痛みは取れない」
こうした説明を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし近年の研究では、姿勢そのものを“悪者”にする考え方が見直されつつあります。
今回は、最新の疼痛科学・バイオメカニクスの視点からなぜ首や肩がつらくなるのか、そして本当に必要な対策は何かを解説します。
1. 「不良姿勢」が痛みを引き起こす本当のメカニズム
最新の研究では、猫背やスマホ首(頭頸部前方位姿勢:FHP)そのものが直接的に痛みを生むわけではないことが分かってきています。
問題となるのは、その姿勢を維持するために、特定の筋肉が働き続けてしまうことです。
● 過剰に働き続ける筋肉が疲労と痛みを生む
特に影響を受けやすいのが、僧帽筋上部などの首・肩周囲の筋肉です。
これらの筋肉が長時間休めない状態になることで、
- 血流の低下
- 筋線維の持続的な収縮
- 疲労物質の蓄積
が起こり、結果として「重だるさ」や「痛み」として感じられるようになります。
● 頭の重さは想像以上の負担になる
頭の重さは約4〜6kgあります。
頭が前に突き出た姿勢(FHP)になると、この重さがテコの原理で増幅し、首や肩にかかる負荷は通常時の数倍にまで増えるとされています。
これが、デスクワークやスマホ操作の後に首や肩がガチガチになる大きな理由です。
2. 「姿勢」よりも重要なのは「運動の多様性」
疼痛科学の知見では、「正しい姿勢を意識しすぎること」自体が問題になる可能性も指摘されています。
● 正しさへのこだわりが緊張を生む
「いい姿勢を保たなければ」と意識し続けることで、無意識に筋肉を固めてしまい、かえって症状が悪化するケースも少なくありません。
● 肩こりの新しい捉え方
最近のバイオメカニクスでは、肩こりは
姿勢が悪い“結果”ではなく
動きの選択肢を失った“結果”
と考えられています。
つまり、長時間同じ姿勢で動かないこと自体が最大の問題なのです。
● 静止姿勢のリスク
どれだけ「良い」とされる姿勢でも、
- 長時間固定される
- 動きがなくなる
ことで、筋肉への酸素供給は低下し、疲労物質が溜まりやすくなります。
これは、肩こり・首こりにおける最も大きなリスク因子といえます。
3. エビデンスに基づく改善・対策
最新のシステマティックレビューでは、単なる姿勢矯正よりも、多角的なアプローチが有効とされています。
● Global Postural Reeducation(GPR)
全身の運動連鎖を考慮した姿勢再教育は、静的ストレッチ、マッサージと比較しても、痛みの軽減・機能改善において有意な効果が示されています。
「部分」ではなく「全身の使い方」を整えることが重要です。
● 頻繁な姿勢変更(マイクロブレイク)
最も手軽で、かつ効果的なのがこれです。
- 30分に1回、姿勢を変える
- 軽く肩を回す
- 立ち上がって体を伸ばす
こうした小さな動きが、筋肉の「休めない状態」を解除してくれます。
● 運動療法 × 環境調整
さらに効果を高めるには、
- 首の深層筋(頸部屈筋群)のトレーニング
- ディスプレイの高さ調整などのエルゴノミクス(人間工学)
を組み合わせることが重要です。
これにより、姿勢改善と痛みの軽減を長期的に維持することが可能になります。
まとめ|「良い姿勢」より「動ける体」を
肩こりや首こりの本質は、「姿勢が悪いこと」ではありません。
- 動きが少ない
- 同じ姿勢が続く
- 筋肉が休めない
この状態をいかに減らすかが、改善のカギです。
「正しい姿勢を頑張る」のではなく、自然に動ける体を取り戻すこと。
それが、最新の科学が示すこれからの肩こり・首こり対策です。
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