はっきり言いましょう。 良い姿勢の良さは見た目のためです。
それ以上でも、それ以下でもありません。
もしあなたが腰痛を治すために、無理に背筋を伸ばして良い姿勢をキープしようと努力しているのなら、今すぐその努力を捨ててください。その正解の形への執着こそが、あなたの腰痛を長引かせている真犯人かもしれないからです。
「姿勢=原因」という思い込みの罠
世の中には「姿勢が悪いから腰が痛くなる」「骨盤が歪んでいるから肩がこる」といった言葉が溢れています。治療家やトレーニング指導者までもが、そのような表現をしている現状があります。
しかし、現場で多くの体を見ていると、ある矛盾にぶつかります。教科書のように綺麗な姿勢なのに、腰痛がひどい人もいれば、驚くほど背中が丸まっているのに、どこも痛くないお年寄りもいるのです。
つまり、姿勢の見た目と痛みに直接的な因果関係はありません。姿勢を正せば痛みが消えるというのは、非常に根拠の薄い神話に過ぎないのです。
あなたの背中を板にする、姿勢の呪い
「良い姿勢でいなきゃ」という意識は、体に何をもたらすでしょうか。 それは、絶え間ない緊張です。
見た目の正解(垂直な背筋)を作ろうとするあまり、多くの人が脊椎を板のように固めてしまっています。特に、背中のカーブが消えてしまったフラットバック(平背)の人は、見た目はシュッとして見えますが、実はクッション機能を失い、常に腰に負担がかかっています。
さらに、「私は姿勢が悪い」という罪悪感やストレスは、脳を介して痛みを増幅させます。 姿勢を正そうとする努力が、逆に体を檻に閉じ込め、心をコリ固まらせている。 これが、姿勢を良くする意識が引き起こしている悲劇です。
見るべきは形ではなく動き
本当に大切なのは、止まっている時の形ではなく、スムーズに動けるかどうかです。 私が腰痛の人を評価する際、反り腰という見た目は問題にしません。それよりも、股関節が正しく伸展できるか、脊椎が稼動するかといった機能を見ます。
反り腰を直そうとするのではなく、動かなくなっている脊椎のサビを落とす。 形を整えるのではなく、動きの自由を取り戻す。 これこそが、痛みから解放されるための道です。
あなたの脊椎は板になっていないか?(3つのセルフチェック)
あなたの背中が、見た目だけの動かない板になっていないかチェックしてみましょう。
- 【伸展】 うつ伏せになり腕を伸ばし、上半身を反らします。その時、腰骨の出っ張り(ASIS)が床から5cm以上離れてしまうなら脊椎を反らせる動きが固まっている証拠です。
- 【屈曲】 正座で座り、上半身を前に丸めます。お尻と踵が離れずに、額を床につけられますか? できないなら、あなたの背中は丸まる能力を失っています。
- 【回旋】 椅子に座って上半身を左右にひねります。50°(斜め後ろが見えるくらい)回らなければ、脊椎の回旋機能が錆びついています。
結論:姿勢を捨てる勇気を持とう
腰痛を本気で解決したいなら、今日から良い姿勢を意識するのをやめてください。「良い姿勢にあこがれるのはやめましょう」大谷翔平風に
- 同じ姿勢をし続けないこと。
- 自分が楽だと感じる姿勢を許すこと。
- こまめに形を変え、縮んでいる場所を伸ばすこと。
世界で一番良い姿勢は、次の姿勢であるという言葉があります。 止まっている一瞬の美しさにこだわらず、変化し続ける自由な体を目指しましょう。
良い姿勢の良さは見た目のため。 そう割り切ってこまめに伸びをしたり、体を揺らしたり姿勢を固定させないことを心がけて、動ける体で過ごしてみませんか?
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